乳幼児粉ミルクからのヨーネ菌DNA検出(オーストラリア)

シドニー大学のアカリヤらは2017年の国際食品微生物学雑誌に乳幼児の粉ミルク中のヨーネ菌汚染について以下のように報告した。ヨーネ菌はクローン病の発生と関連があるとされる細菌で、それによる粉ミルクの汚染は赤ちゃんに対する早期の暴露の原因となることから定量的PCR法および液体培養法を用いて9カ国の12のメーカーの72のブランドの製品122サンプルのサンプルを試験した。粉ミルクを溶かした後に遠心分離してカゼインペレット、クリーム層およびホエー画分を分離した。カゼインペレットから抽出したDNAについて、感度の高い定量PCR試験を行ったところ、122サンプル中6サンプルからヨーネ菌DNAが検出された。しかし、これらのサンプルからは生きたヨーネ菌は培養されなかった。彼らはヨーネ菌菌体成分の幼児の曝露のリスクは比較的低いのではないかと考察している。

*これまでに粉ミルクから生きたヨーネ菌が分離されたという報告もあります。多くの農場由来の多量の牛乳を混合したロットではヨーネ菌汚染牛乳も薄まると思われますが、どこに多く入っているのかは容易にわかりません。(*CMRI注)

Int J Food Microbiol. 2017 Sep 18;257:1-9. doi: 10.1016/j.ijfoodmicro.2017.06.005. Epub 2017 Jun 8.
Detection of Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis in powdered infant formula using IS900 quantitative PCR and liquid culture media.