CMRIの目的

基礎研究は多くの人の健康維持や病気の予防治療に欠くことができません。

基礎医学研究の大切さ

医学の進歩は著しいのですが、現在でも原因が解明されていない難病疾患や適切な予防治療法のない疾患が多数あります。百溪研究室では免疫学、病理学、解剖学、生理学、微生物学、分子生物学などの研究を通じて医学領域の未解明の問題解決に取り組んでおります。

本研究室では医学上の課題の中で特に、自己免疫性の希少難病疾患と呼ばれる疾患が起こる原因の究明を中心に研究を行ってきました。具体的には炎症性腸疾患(クローン病潰瘍性大腸炎)、多発性硬化症膠原病胆道閉鎖症などの自己免疫性難病が含まれます。また、当研究室ではアレルギーの発症機序についても研究を行っています。

本研究室の研究の特徴は家畜の伝染病病原菌であるMycobacterium avium subsp. paratuberculosis(ヨーネ菌)の人の免疫系に及ぼす影響を軸に行っている点です。ヨーネ菌は結核菌らい菌などと同じ抗酸菌に属する病原菌で、抗酸菌は様々な免疫作用を持ち、感染や発症を起こします。
ヨーネ菌は牛や反芻動物家畜に慢性の腸炎(ヨーネ病)を起こす菌で、糞便の中に大量に排菌されますが、牛乳中にも排菌されることから、子牛への感染源になると同時に、乳製品に混入する菌が人に影響する可能性があります。
 

研究室の発足・経過・現在

百溪研究室は東都医療大学に教授として赴任した百溪が医学系基礎研究を推進するために2013年に海浜幕張駅から徒歩6分の幕張国際研修センターに設置準備が始まり、2014年より研究室施設が稼働しました。東都医療大学は看護大学であるため、百溪が赴任するまでは医学生物学系の実験室を保有しておりませんでした。5年間教授として教育・研究に携わる機会をえたことを感謝しています。

2018年4月からは基礎医学医学研究を推進するために医療法人大坪階より研究室の提供を受けて客員教授という立場で実験を行いました。現在はBSL-2の免疫実験室は稼働していますが、研究室の機能をつくば市に移転中です。関係者のご厚意に感謝します。

テネシー大学獣医学部にて Discussion with Pathology prof. in Tennessee Univ.