アメリカの肉牛のヨーネ病汚染は想像以上に高かった。(アメリカ)

Johne’s Disease More Common in Beef Cattle than Previously Thought by M. Randall, B. Kunkel, M. T. Collins

かねてからヨーネ病は肉牛にも感染することが知られています。ウイスコンシン大学のヨーネ病検査センター(JTC)が受け付けた肉牛の検査サンプルについて研究を行った。

依頼者は様々な理由により検査を依頼してきます。臨床的にヨーネ病を疑う牛を購入前に事前検査をするケース。そして、ヨーネ病汚染が無いという確実性をベースにした任意の米国農務省(USDA)の農場分類を達成するための試みだったりします。

材料と方法:JTCで検査される検体のリストが研究室の検体受け入れプログラムから作られ、状態によってソートされた。

糞便サンプルは直接りあるたいむPCRでヨーネ菌の特異的DNA配列IS900を検出した。糞便からこのDNAが検出されるということはこの動物がヨーネ菌に感染しているということなのです。

サンプルには1頭からの分が個別に入ったものと、5頭分をまとめた物が含まれた(プール糞便法)。

結果と考察:195個のプールサンプルに含まれる941頭分のサンプルのうち49例(25.1%)がPCRで陽性だった。27プールの個別サンプルはPCR陽性動物と同定するために調べられた。

この27のプール以外のPCR陽性プール糞便サンプルについては依頼者の意向でそれ以上個別の検査に進まなかった。(*注:プール糞便を調べて、陽性のものについては、プールされた個別の糞便を取り直して個体診断をするのが普通です。)

特定の州から送られた検体中の陽性率が非常に高かった。

このPCR による分析がそれらの州の正確な有病率を反映すると決定したわけではないが、これらの20の州は子牛生産における全米トップの州であった。

これらの陽性農場は仔牛生産と販売の登録業者で、感染している仔牛を販売することによりヨーネ病を他の群に広げていることが明らかである。

群レベルでの厳密な購入前の検査によるバイオセキュリティーがヨーネ病の感染予防のために必要です。

個体別の糞便検査ではない、プールした糞便の検査により検査費用は軽減できます。一頭あたり8ドル程度まで。ただし、この方法は有病率が低い農場でないと意味がありません。全体のプール糞便すべてが陽性を示してしまうと、結局すべての個体の糞便検査をしなければいけなくなるからです。

ヨーネ菌の糞便DNA検査により感染牛を同定して、群れから外すか、出産のシーズンだけでも群れから隔離するなどの処置は不治の病であるヨーネ病が入り込んで広がっている農場では必須の対応です。

本資料はウイスコンシン大学のヨーネ病情報センターのWebに掲載されたコリンズ教授らの報告に加筆して解説資料として提供しています。牛の写真もどうHPより引用しました。

CMRIの解説:
糞便からのヨーネ菌DNAをPCR法で検出する検査法は最も迅速で確実な方法ですが、コンタミネーションしない厳密な検査室と担当者が必要です。までDNAをリアルタイムPCRで検出する機械や検査試薬は高価です。

日本のように防疫が適切になされている国の農場の検査にはプール糞便を用いた方法が経済的でまた実用的で、動物衛生研究所でも実用化に向けて試験を進めているそうです。

この報告と以前ご紹介したドイツのと畜場でのヨーネ菌の検査で多くの食肉の部位からヨーネ菌が検出、培養された報告を重ね合わせて考えてみてください。自己免疫病になりやすい遺伝子の乳幼児や大人がヨーネ菌を摂取することはできるだけ避けたほうが良いと思います。

14ICP速報:牛肉からたくさんのヨーネ菌が検出された報告(ドイツ)


1番安全なのは日本産の牛肉です。

 

 

 

 

 

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