世界48ヶ国の研究者が協力したヨーネ病防疫の現状の論文が受理されました!

タイトル:Control of paratuberculosis: who, why and how. A review of 48 countries

掲載予定雑誌:BMC Veterinary Research 2019 (in press) インパクト ファクター: 1.958 (2017年)

この国際的調査研究はシドニー大学のRJ Whittington教授が中心となり世界48ヶ国の獣医関係者(国際ヨーネ病学会メンバー)が共通したデーターベース作成用のオンラインシステムに書き込んでそれを集計したものです。日本からは百溪(比較医学研)、川治(動衛研)、山本(動衛研)が共著者として参画しました。

要約
ヨーネ病はヨーネ菌、に起因する反芻動物家畜に被害を及ぼする慢性疾患です。
この病気は畜産業界に直接的、間接的な経済被害を与えるばかりでなく、動物の権利保護に影響を与え、公衆衛生上の懸念をも与え続けています。
48カ国の調査を行って、我々はヨーネ病がど国の家畜にも非常に蔓延していることが明らかになりました。
調査に参加した48ヶ国の約半分の国において、国内の家畜群の20%以上がヨーネ菌に汚染されていました。
大部分の国は牛や緬山羊などの家畜を含む100万頭レベルの大きな反芻家畜集団を有しており、複数の農業システムと何万もの個々の農場から成り立っていました。そして家畜防疫の努力もなされていました。

さらに、多くの種類の野生生物の種もヨーネ菌に感染していることも明らかになりました。
ヨーネ病は大部分の国で届け出が必要な伝染病の扱いになっていましたが、正式な防疫プログラムをもっている国はわずか22カ国だけでした。
防疫プログラムをもっているのは高度に発達した獣医学サービス体制をもつ先進国のみでした。
ヨーネ病を防疫するための正式な制御プログラムのない国のなかで、20%がヨーロッパにあり、76%は南および中央アメリカ、アジアとアフリカの国々でした。防疫プログラムは家畜の健康管理という根拠で最も一般的に正当化されたものでした。しかし、市場参入や公衆衛生を保護することは別のファクターだった。

ヨーネ病の有病率を減少させること(control)が大部分の国の大きな目的でしたが、ノルウェーとスウェーデンでは疾患を根絶(eradication)することを意図したもので、調査と回答がそれらの大きな目的であった。

ヨーネ病の防疫に対する政府資金の提供は調査した国の約3分の2でなされていた。しかし、その実際の防疫実施のための予算は農民や畜産団体によって拠出されるものであって、国が全てカバーするものではなかった。

大多数の国(60%)には任意の防疫プログラム(強制力のないお薦めのようなプログラム)があった。
通常、防疫プログラムは参加へのお誘い、財政的保障および(もしくは)、不参加に対するペナルティーによって成り立っていた。
この論文には各国の防疫プログラムで使われるパフォーマンス指標(防疫の成果がどれくらいあるかの評価)、組織などの構造、リーダーシップの主体、実行の状況、診断などに使われるツールなども記載されています。

長期間にわたる防疫活動のための資金提供の確保はどこの国ににおいても問題であった。
ヨーネ病の防疫プログラムは、実施されている22カ国のうちの16ヶ国(73%)で成功していることが報告された。

本論文では将来の制御プログラムのために何をすべきなのかの勧告をしています。ヨーネ病制圧のための国際的な規則を作り上げるための手始めのゴールを示します。これが風土病化そして国境を超えて蔓延する病気の防疫に関わる、原則と方法確立のリーダーシップとなるでしょう。
すべての反芻動物畜産業全体のアプローチと長期間の関与がヨーネ病の制御のために必要とされるのです。

(翻訳はCMRI百溪)