子どもの早期発症IBDと早発性IBD

以前はIBDの発症年齢は18~20前後以降だとされていましたが、近年乳幼児期から難治性の腸炎を起こす病気が知られています。

早発性IBDの特徴と病理発生機序:18歳未満の小児期に起こるIBDを小児期発症IBD(P-IBD : pediatric IBD)と呼び、特に6歳未満で診断されたIBDを早期発症IBD(VEO-IBD(very early-onset IBD))と区別してそれぞれ特徴的な疾患群として位置づけられています。

IBDの発症と腸管粘膜バリアの異常に伴う透過性亢進が腸組織や全身の免疫異常の原因となっている説がありますが、未解明です。

6歳未満の早期発症IBDにおいても粘膜バリアの破錠に伴う細菌のTranslocationにより菌血症を起こしている疑いも指摘されています。

早期発症IBDは2015年から小児慢性特定疾患の対象疾患に組み込まれましたが、その病態と治療、疾患経過と予後については不明な点が多く、その解明が急務です。これらの早期発生IDBの研究と解明が大人のIBD,クローン病や潰瘍性大腸炎などの解明の緒になる可能性があります。

ヨーネ菌がIBDと関連している可能性があると厚生労働省は述べており、農水省はヨーネ病感染を厳しく規制していますが、赤ちゃんが飲む粉ミルクの原料はヨーネ病が蔓延している欧米の酪農国から何らのチェックも経ずに輸入されている脱脂粉乳などの原料で製造されています。メーカーにはヨーネ病の清浄度の高い日本産の原料だけで作った粉ミルクを販売して欲しいと切に思っています。心配です。