クローン病(CD)とマイコバクテリア感染の関係は複雑で興味深い。
この論文は2009年のものですが、近年、小児のクローン病の発生数が増えているという指摘があります。イタリアフローレンスの小児病院からの総説の要旨を御覧ください。
Department of Paediatrics, University of Florence, Anna Meyer Children’s Hospital, Florence, Italy.
Crohn病(CD)とマイコバクテリア感染の関係は複雑で興味深い。
2つの病は共通の免疫病原性特徴を共有する、そして、ヨーネ菌がCDを生じる場合があるという仮説は現在議論中である。
さらに、特に結核の高い罹患率で国から移住して来る小児が増えている状況において、CDと腸結核(TB)の間の鑑別診断は困難だがやり甲斐がある。
このように、西欧諸国においては小児の結核とCDの管理に関与している小児科医は従来よりも高頻度に腸結核に直面する用になっている。そのため、常に腸結核とCDの鑑別診断を考慮しなければならないのです。
さらに、CDの治療において生物学的薬剤の使用は潜在性結核を再燃発症させる可能性があるため、目標を明確にした診断アルゴリズムの開発が必要です。
抗腫瘍壊死因子-α製剤による治療の候補となるCDをもつ小児は潜在的もしくは活動性の結核の有無についてスクリーニングされなければならず、その後も緊密な医学的経過が観察されなければならない。
そして、また、抗TNF-α製剤を処方されている小児における、結核性予防処置が効かない可能性や小児結核の特徴的でない結核の発症に注意をする必要がある。
この総説では特に小児科の年齢層に集中するごく最近の文献所見をまとめてみた。
J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2009 Nov;49(5):550-8.
CMRIからのコメント
今回CMRIが提案している乳製品特に粉ミルクとヨーネ菌の関連については小児クローン病の増加と、低年齢化に関連する可能性があると考えて準備をしているものです。従来そのような発症は殆ど見られなかったという小児科医師の声もあります。
この病気については以下のPDFが参考になると思います。
●小児クローン病患者を担当される医師・医療スタッフの皆様へ