COVID-19の感染病理発生・重篤化
新型コロナウイルスの症状や重篤化の裏付けとなる病理発生機序
FBに書いてきましたが、マスコミの情報には出ないことなので読む方が多いようです。
断片的に書いているコメントを整理してこちらにまとめておきたいと思います。参考になれば幸いです。
🔴日本内科学会の速報には発症の経過が書かれていますが、体内で何が起こるのか知る事が出来ます。
これまでに報告されている症例の年齢は 50~60 歳代が多く、潜伏期間は概ね 4~7 日である 13)。武漢から報告された 138 人の入院症例に関する報告から、以下に臨床症状を引用する。年齢中央値は 56 歳で、男性が 54.3%、全体の致死率は 4.3%であった。
全症例の 46.4%は高血圧、糖尿病ならびに心疾患等の合併疾患を 1 つ以上有していた。
初発症状は、発熱(98.6%)、倦怠感(69.6%)、乾性咳嗽(59.4%)、食欲不振(39.9%)、筋肉痛(34.8%)、呼吸困難(31.2%)、喀痰(26.8%)ならびに咽頭痛(17.4%)等である。
ICU(intensive care unit)に入室を要した重症例とそれ以外の比較では、重症例において有意に年齢が高く(66 歳 vs. 51 歳)、基礎疾患を有する割合が高く(72.2% vs.37.3%)、呼吸困難の頻度が高かった(63.9% vs. 19.6%)。
検査所見は、リンパ球減少等非特異的であるが、特に死亡例では、経過中に好中球増加、リンパ球減少、D ダイマー上昇ならびに BUN(blood urea nitrogen)・クレアチニン上昇等がみられた。
*この中で呼吸障害と共に最後の方に出てくるDダイマー増加は、身体中の毛細血管内でフィブリン血栓が出来る播種性血管内凝固症候群(DIC)が起こっている事を示し、BUNや血中クレアチニン増加は腎機能低下を示します。
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🔴DICが起きて全身の毛細血管にゼリー状のフィブリン血栓が多発すると、抹消組織の酸素交換(これを肺の外呼吸に対して内呼吸と呼びます)が不能になるので多臓器不全という状態に至ります。人工心肺装置も厳しい状態です。 肺の機能が極度に低下することが致死的原因と思っている方が多いので重篤化の病理発生機序を説明をしておきます。
🔴DICの怖いところは、フィブリン血栓が出来ると、それを溶かさなければと線溶系が活性化するために、体中に出血が起こって来ることです。出血傾向。皮下に出血斑が出てくる事もあります。こういった事が起きるのにテレビでは紹介しませんね。一般の方には怖すぎるからでしょうか。