カリウム40を知っていますか?

トウモロコシ由来の食物サンプル中の全ベータ線活性、カリウム-40活性および残留ベータ線活性。
CMRIのホームページを読んでくださる方には食の安全に強い関心を持つ方が多いようです。環境要因で大気とともに人の健康に影響を与える最も重要なものが食物と水ですね。そこでカリウム40についてのご質問がありました。比較的新しい文献をご紹介します。

セルビアのNovi Sad科学獣医大学大学のzeljko博士が国際学会に発表した抄録です。
Agrosym 2017″, Jahorina, Bosnia and Herzegovina, October 2017. Book of Proceedings 2017 pp.1499-1503 ref.16

原子力エネルギーを平和目的で使用しても放射性核種による環境の汚染を引き起こします。したがって、ある地域における環境中の放射性核種レベルのモニタリングをすることは人々の放射線に対する安全を確保するための基礎となり極めて重要です。

この報告では、総ベータ線量、カリウム-40量そして残留ベータ活性が測定された。トウモロコシベースの食べ物は、伝統的なセルビアの食生活において重要な役割を果たし、現代の食生活のトレンドにおいても非常に魅力的です。人が最も一般的に消費している製品が選ばれて分析にかけられました。

「Scientific Veterinary Institute "Novi Sad" corn」の画像検索結果2016年の春に、セルビアNovi Sadの市場において手に入る様々なトウモロコシ製品の検査試料を無作為抽出によって収集しました。この調査では、スーパーマーケットで売られていた未開封包装の26個サンプルが得られました。

すべての試料サンプルはセルビア産の原料に由来しています。白および黄色トウモロコシ粉、トウモロコシ粉、ポレンタ、コーンフレーク、ポップコーン用トウモロコシ、ポップコーン、トウモロコシのスナックなどです。

総ベータ活性は乾燥サンプルを燃焼させた後のミネラル残渣を低ベータ活性を測定できる米国製の「オムニガード」を用いてバックグラウンドを除去して測定した。試料中のカリウムの含有量は、原子吸光分析法を用いて測定した。総ベータ線量は35.8±1.9Bq/kgから224.7±5.4Bq / kgの範囲であり、残留ベータ線量は4.9-34.8Bq/kgでした。総ベーター線量およびカリウム-40量の測定は放射線衛生管理の第1段階として使えるものである。

Institut
Scientific Veterinary Institute “Novi Sad” is an independent institution. Its basic activity is scientific and specialist work in the field of veterinary medicine and multidisciplinary research in medicine, agriculture and protection of the environment.
*紹介者は放射線物理学の専門ではないので紹介内容におかしな部分があれば教えて下さい。


安保 徹先生-1-225x300わかりやすい本をたくさん書かれた免疫学の権威者、安保徹先生が「生き様を見直し自分自身が持っている免疫力を高めましょう」の記事の中カリウム40について言及されていました。興味のある方はぜひお読み下さい。

「私たちの体の中で熱を作りだしているのは細胞の中のミトコンドリアという器官です。このミトコンドリアを活性化させることで体温の低下を防げます。そして、ミトコンドリアを活性化させる物質がカリウムであり、特にその中に含まれているカリウム40なのです。」記事より一部引用。
(安保先生は2016年12月6日に亡くなられました。お写真はNPO日本綜合医学会のHPより引用させていただきました。)