実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)発症の早期化と重度化に及ぼすヨーネ菌死菌抗原の抗原性とアジュバント活性

反芻動物におけるヨーネ病の原因菌(ヨーネ菌、MAP)は、ヒト多発性硬化症の危険因子として考えられています。この研究では、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対するヨーネ菌のアジュバント効果を調べた。

C57BL / 6マウスはグループに分けられ、加熱殺菌ヨーネ菌を含むフロイントの不完全アジュバントにミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)35〜55ペプチドを加えて乳化した接種物(MOG-MIFA)と、ヨーネ菌を含まない接種物(MOD-CFA)で免疫されました。

MOG-MIFA免疫マウスは、MOGーCFA免疫マウスと比較してより早期に疾患発症が起こり、かつより重篤な臨床スコアを示した。

本実験はEAE発生に対するヨーネ菌のアジュバント効果を世界で初めて実証した。

 

CMRIからのコメント

ヨーネ菌との関連が疑われている人の疾病にクローン病や多発性硬化症などが知られているが、原因と目されるヨーネ菌は乳製品や牛肉などヨーネ菌の死菌や生菌を含む食品を介して人の身体に侵入すると思われます。

日本の乳製品のヨーネ菌汚染については本研究所がクラウドファンディングによる研究を開始する事になっておりますが、国内の乳製品に含まれるヨーネ菌は多くが死菌ではないかと考えられます。欧米では乳製品からの生きたヨーネ菌の検出がなされています。

本研究は、ヨーネ菌が実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の発症を促進する作用を示すことを明らかしました。従来よりも積極的な関与が示されたと考えます。

参考

実験的自己免疫性脳脊髄炎

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