飼育環境の違うイヌにおけるヨーネ菌抗体IgGの差異
Seroprevalence of Immunoglobulin G Antibodies Against Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis in Dogs Bred in Japan
この研究でヨーネ菌に対する免疫グロブリンG(IgG)血清抗体の保有率を日本で飼育されている犬について調べ評価した。
つの研究用のイヌの施設から92例の非臨床サンプルられ、日本の獣医医院から57の臨床サンプルが取得されました。MAPに対する総IgG、IgG1およびIgG2アイソタイプ抗体の血清力価を間接的酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を使用して測定しました。
3つの施設から得られた非臨床血清中のMAPに対するIgG抗体は、2.4%、20%、および9.0%であることが観察されました。同様に、獣医医院のサンプルにおけるヨーネ菌に対するIgG1抗体価は、7%、20%および0%であることが観察された。ヨーネ菌に対するIgG2クラスの抗体は7%、20%、4.4%でした。
これらの力価の統計的有意差は3つの施設間で観察されなかった。動物病院から得られた血清中のIgG、IgG1およびIgG2抗体は、それぞれ55.3%、42%および42%であることが観察されました。
施設由来の非臨床サンプルと開業獣医医院由来の臨床サンプルの間には有意差が見られました。
臨床サンプルの力価は高度の変動を示したが、非臨床サンプルでは低い変動が見られた。この研究で示されたIgG抗体レベルはヨーネ菌に汚染された飼料への経口暴露後に誘発されると考えられました。臨床サンプルと非臨床サンプルの力価の違いは、ドッグフードのMAP抗原汚染の量に関連している可能性があります。
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*CIMRIからのコメント
近年、輸入乳製品に起因するヨーネ菌抗原の経口摂取がクローン病や多発性硬化症の発症に関連しているという論文が増えていますが、Momotaniがテネシー州の食肉検査所を訪れた時にヨーネ菌感染牛が多数屠殺されて食肉にされていることと、著しく肥厚したヨーネ菌感染牛の腸や腸間膜リンパ節などの臓器がドッグフードの製造に回されていることを伺いました。これらの臓器はヨーネ機が大増殖している場所であり、牛乳中に排菌されるヨーネ菌の量の比ではないので、製造工程に加熱加工処理が有ったにせよ抗原は存続しているのはないかという仮説を立ててこの研究を進めました。日本のイヌがヨーネ菌に対する抗体を保有していることを示す初めての論文でもあります。
近年、輸入乳製品に起因するヨーネ菌抗原の経口摂取がクローン病や多発性硬化症の発症に関連しているという論文が増えていますが、Momotaniがテネシー州の食肉検査所を訪れた時にヨーネ菌感染牛が多数屠殺されて食肉にされていることと、著しく肥厚したヨーネ菌感染牛の腸や腸間膜リンパ節などの臓器がドッグフードの製造に回されていることを伺いました。これらの臓器はヨーネ機が大増殖している場所であり、牛乳中に排菌されるヨーネ菌の量の比ではないので、製造工程に加熱加工処理が有ったにせよ抗原は存続しているのはないかという仮説を立ててこの研究を進めました。日本のイヌがヨーネ菌に対する抗体を保有していることを示す初めての論文でもあります。
麻布大学の栗林先生の頑張りに敬服。順天堂のDavide Cossu先生は統計学が得意なので素晴らしい解析結果が出せました。良きコラボに感謝です(CMRI 百溪)